そろそろ寒い冬がやってきますね。
今年の夏は特に暑かったので、冬が寒くなる傾向にあります。
ラニーニャ現象ってやつですね。
わからない方は→こちらからググってください。
(気象庁のHPに飛びます)
ってインド洋熱帯域の海洋変動どうのこうのと言われてもよくわからないですよね。
簡単に言うと、日本では夏が暑ければ冬は寒くなる。
夏が涼しければ、冬は暖かくなる。
全てがそうというわけではありませんが、平均的にみてそうなる可能性が高いということなのです。
ということは、今年の夏は特に暑かったので冬も例年より寒くなる傾向にあります。
ただ、2018年今年の夏の猛暑は、ラニーニャ現象の影響によるものではないようなのです。
昨年度(2017年冬から2018年春にかけて)はラニーニャ現象の影響で大雪になったのですが、現在はラニーニャ現象の状態はなくなり平常の状態にあるようです。
しかし、近年の状況を見てみると、ラニーニャ現象でなくても夏が猛暑の時は、ゲリラ的に大雪が振る傾向にあるようです。
平均気温はそこまで下がらず、暖冬になっていても局地的に大雪が降る可能性があるようです。
そうなれば、今まで雪が積もらなかった地域でも積雪があったり、雪が積もらなくても道路が凍結してしまったりする可能性があるということです。
危険ですよね。
冬道を安全に走行するには、スタッドレスタイヤを履く方が安心ですよね?
ここで、よく聞かれるのが、タイヤチェーンのようにスタッドレスタイヤも駆動輪だけに装着したらいいんじゃない?
という疑問です。
確かにタイヤチェーンは駆動輪(エンジンで動かすタイヤ)に装着するのが基本です。
では、スタッドレスタイヤも駆動輪に装着するだけでよいのでしょうか?
今回は、スタッドレスタイヤとチェーンの違いをお話いたします。
研修生
店長!
そろそろ、涼しい秋が終われば忙しい冬がやってきますね。
ちょっとづつですが、スタッドレスタイヤの問い合わせがあります。
店長
そうだろうね。
昨年も、全国的に大雪になったところが多かったのでスタッドレスタイヤに対する意識が大きくなってきているのだろうね。
研修生
その中で、何件かあった質問の中に
スタッドレスタイヤもチェーンのように2本だけ駆動輪に付けたらいいんじゃないか?!
と、聞かれたんですが、実際のところどうなのでしょうか?
雪道の滑り止めとしては同じようなものだと思うんですが。
店長
その疑問は誰でも持ってしまうよね。
確かに、タイヤチェーンは駆動輪に2本だけ取り付けて雪道を走れるよね。
だったらスタッドレスタイヤも2本だけ付けたら雪道を走れると思ってしまうのは自然なことだと思うよ。
研修生
ですよね!!
僕もスタッドレスタイヤもは4本付けるものと思っていますが、実際2本でも走れるんじゃないかと思うこともあります。
店長
タイヤ業界をちょこっとかじっている君でさえそう思うなら、一般の人ならなおさらそう思うかもしれないね。
ただ、スタッドレスタイヤはタイヤチェーンとは違うんだね。
雪道を走るという観点で見れば同じかも知れないけど、タイヤチェーンは基本的に緊急脱出用として使われるものなのだよ。
研修生
緊急脱出用??
店長
脱出とい言うと、どこかにハマってしまったら、みたいな状況を想像してしまうかもしれないけど、雪道から脱出するために履くものと考えられているんだね。
だから、乾燥路ではチェーンを外さなければいけないんだね。
研修生
そうですね、
たまにシャラシャラ言いながらアスファルトの上を走っている車を見ますが、あれってすぐ切れてしまうんですよね?
昔、父親とスキーに行ったときにチェーンを付けたり外したりしていたのを思い出しました。
店長
チェーンはあくまでも雪の上で使うものなので、雪がなくなれば外してまた雪があれば取り付けてって結構手間なんだよね。
その点、スタッドレスタイヤは乾燥路でも履いたまま走行できるので、面倒な取り付けがなくて近年装着率が上がっているんだね。
研修生
そうなれば余計にタイヤチェーンぼように2本だけでもいいと思ってしまうんですが、タイヤチェーンを付けた場合とスタッドレスタイヤを2本付けた場合ではどう違うんですか?
店長
では、今日はその辺について勉強していこうかな。
なぜチェーンは2本でスタッドレスは4本?
よく店員はタイヤを多く販売したいからスタッドレスタイヤは4本でないといけないと言う!と言っている方を見かけます。
消費者としては、そう思うのもわかります。
ただでさえ、よくわからないタイヤの世界ですから、うまいこと言って買わされるんじゃないかと思ってしまいますよね。
でも果たして本当に4本ほ方がよいのでしょうか?
逆に2本だけスタッドレスタイヤを履いたらどうなるのでしょうか?
タイヤチェーンと比較してみたいと思います。
タイヤチェーンは、雪の上をゆっくり走り乾燥路に出るために使用します。
なので、あまり早いスピードに対応するようには設計されていません。
その前に、タイヤチェーンを装置したことがある方ならわかると思いますが、あのガタガタした状態やで早くは走れません。
タイヤチェーンは、あくまでも緊急用ということです。
それに比べてスタッドレスタイヤは、雪の上でも凍結路の上でも、はたまた雨の日でも晴れて道路が乾燥している時でも普通に走れます。
雪や氷の上では、さすがにビュンビュンとばして走るってことはできないと思いますが、積雪がある地域の高速道路では地元の方はかなりのスピードで運転しています。
それができるのも、スタッドレスタイヤを履いているからなんですね。
ではなぜ、チェーンは2本でスタッドレスタイヤは4本なのでしょうか。
結論から言うと、タイヤチェーンも2本より4本付けた方がより効果的と言えます。
ただ、取り付けと取り外しのことを考えると、2本になってしまいます。
それに、タイヤチェーンで走るスピードはあまり速くないので、2本で対応できることが殆どです。
しかしタイヤチェーンを巻いていても滑ることもありますので、4本チェーンにの方がより安心かもしれませんね。
もうひとつタイヤチェーンは2本の方がよい理由があります。
チェーンを巻いてるということは、タイヤは殆ど接地していないということになります。
チェーンの方が先に地面についてしまいますからね。
雪の上では、それでも問題ありません。むしろその方がいいのでチェーンを巻くのですが、雪の道から舗装路に出たときにチェーンでは接地圧が下がり滑りやすくなります。
4本ともにチェーンを巻いていたら、舗装路での安定が無くなり逆に危険と言えるでしょう。
雪が無くなる境目でチェーンを外せるならいいのですが、そうでない場合は2本に巻く方がよいでしょう。
では、なぜスタッドレスタイヤは2本ではいけないのでしょうか。
こちらも結論から言うと止まれないからです。
駆動輪にスタッドレスタイヤをはめて、後の2本には夏タイヤを装着した場合と、4本ともスタッドレスタイヤを履いた車では、実は発進は殆ど同じなのです。
発進は、駆動輪で行います。
なので走りだす時や、加速時の性能はスタッドレスタイヤが2本でも4本でも同じなのです。
でもブレーキは違います。
ブレーキは4本でかけます。
スタッドレスタイヤを履いているタイヤは止まろうとしますが、夏タイヤは滑ってしまうので、止まれません。
本来4本で止まっている車を、2本のタイヤで止まるようなものなので制動距離(ブレーキをかけてから止まるまでの距離)は確実に伸びます。
チェーンやスパイクタイヤと比べるとまだ滑りやすいスタッドレスタイヤなのに、さらに滑ってしまうと危険ですよね。
殆どの車は、エンジンが付いている前の方が重たいので、ブレーキも前輪の方が多く利くようになっています。
なので、FF車の前輪にだけスタッドレスタイヤを付けた場合はまだましでが、FR車の後輪にだけスタッドレスタイヤを付けた場合の方がブレーキは利きにくくなります。
フロントの方が多く利いてるブレーキですが、タイヤが滑ってブレーキが利かないので当然ですね。
もうひとつ症状として出るのは、カーブの時です。
スタッドレスタイヤを付けた駆動輪は、曲がろうとしますが、夏タイヤは横滑りしてしまいます。
なので、FF車の場合はドリフトのように後輪だけ滑ってしまいカーブの時に車が回転してしまいます。
FR車の場合は、後輪は前に進もうとしますが、前輪は滑っていうことを利かないので曲がれずに直進してしまいます。
ただでさえ滑る道でハンドル操作が利かなくなったら危険ですよね。
ここに国土交通省が作った動画があります。
スタッドレスタイヤを2本だけ付けた場合と4本付けた場合の比較映像です。
少し長いですがわかりやすいので、2本は4本かで迷っている人は見てみてください。
スタッドレスタイヤの本数についてはわかっていただけましたか?
ただでさえ高いスタッドレスタイヤなので、少しでも安く済ませたい気持はとってもわかります。
でも、スタッドレスタイヤを履く意味を考えて、まずは安全を優先してもよいと思ます。
本日も最後まで読んでいただきありがとうござます。