社会問題にもなっている、あおり運転。
前方の車に執拗に近づき威嚇したり、急に前に割り込んだりと危険極まりない運転のことです。
あおり運転は、今までは道路交通法の範囲内で、車間距離不保持違反や、急に割り込んだことによる割り込み等違反などの処分しかできませんでした。
しかし、2017年末に警察庁は、車を使って暴行事件を起こすなどして将来的に事故を発生させる可能性があると判断した運転者に対し、交通違反による点数の累積がなくても最長180日間の免許停止ができる道交法の規定を適用して防止するよう、全国の警察に指示をしました。
これにより、あおり運転の罰則は厳しくなったのでしょうか??
研修生
店長。
あおり運転したら、免停になるそうですね。
これで、あおり運転はぐっと減るので安心してドライブを楽しめますね。
店長
あぁ~、なんか警察庁がそんな通達を出したみたいだね。
でも、あれはあおり運転だけでの摘発は少し難しいかもね。
研修生
えっ?そうなんですか?
煽られたら、免停にできるんじゃないんですか?
店長
そんなわけないじゃん。
車間距離を詰めて煽ってきたら、あくまでも車間距離保持違反での検挙しかできないんだよ。
研修生
そーなんですかぁ。
なーんだ。
煽ってきたら、免停にできるからこっちも強くでれると思ったんですけどね。
店長
今回の通達は、あくまでも取り締まり強化の一環で、危険性帯有者(キケンセイタイユウシャ)として処分する方法しかないので、煽っただけではなかなかその処分にもっていくのは難しいかもね。
研修生
キケンセイタイユウシャ?
それなんですか?
店長
危険性帯有者は、免許を取得していても道路交通に著しい危険を生じさせる恐れがあると判断させた人の事だよ。
ちょっと難しいかな。
あおり運転などをして、その後交通トラブルから暴行や脅迫、器物破損などをした人を、その危険性帯有者として検挙して、点数制度は関係なく一発免停最大180日にできるというものなんだよ。
研修生
ってことは、道路交通法が改正されたわけではなく、いままであった法律をあおり運転にも使って強化していくってことなんですか?
店長
その通り。
道交法が改正されたわけではないんだよ。
いわゆる強化されたって話だね。
でも、それでもあおり運転からのトラブルは少しは減ると思うけどね。
研修生
そうすね。
あおり運転は無くなってほしいですけど、その後もトラブルの方がが怖いですもんね。
店長
そうだね。
では、今回のあおり運転からの免停になるケースをもう少し詳しく解説するね。
あおり運転だけでの一発免停は難しい?
2017年末に警察庁から全国の警察に通達があったことがニュースなんかんいもなりましたね。
『あおり運転「一発免停」で事故防止 警察庁』
これだけを見れば、あおり運転をしたら一発で免停になりそうな見出しですけど、実際はそんなことはありません。
あくまでも、あおり運転をしただけでは、車間距離保持違反や、割り込み等違反、追い越し等違反ぐらいでしか検挙できません。
あまりにも悪質な場合は、『暴行罪』が適応される場合があります。
『暴行罪』と聞くと、直接殴ったり蹴ったりしたことに適応されそうですが、あおり運転にも適応できる場合があるのです。
煽られた側は、恐怖とストレスを与えられます。
その状態では、正確な判断ができず、思わぬ事故になりかねないとして、そのあおり運転が『暴行罪』にあたるとしています。
間接的な暴行という事ですね。
なので、少し煽られただけとか、前に割り込まれた!ってだけでは一発免停に持っていくもの難しいでしょう。
でも、執拗に煽ってきたり、危険行為を繰り返し受けた場合は相手を免停にもって行ける場合があるので、そのためにも証拠の映像を残す必要があります。
あおり運転が大事故になった場合などは、道路に設置された交通カメラの解析等を行ってもらえますが、事故等が無ければ自分で証明する必要が出てきます。
そのためにもドライブレコーダーの装着が、必要になってきますね。
ナンバーを覚えて、警察に訴えたところで、事故になっていなければ煽ったことの証拠がありません。
仮に犯人が特定されたとしても、煽った事実を認められ無ければあおり運転自体もなかったことになるでしょう。
なので、自分の身は自分でまもるためにもドライブレコーダーは付けておきましょう。
あおり運転から、一発免停になるケースとは。
煽ってきた相手を一発免停にできるのは、危険性帯有者認定させる必要があります。
危険性帯有者認定とは、もともと薬物使用者などが対象になっていたのですが、将来事故を起こす可能性が非常に高い人物を危険性帯有者と認定し、強制的に免許の停止を行うというものなのです。
この制度をあおり運転にも適応し、薬物を使用していなくても無謀な危険運転や迷惑な行為をしているドライバーに対して、将来事故や事件を起こす可能性があると判断し、強制的に免許の停止を行うようになりました。
具体的には、
①煽られた後に相手がおりてきて脅迫してきたり、文句を言ってきた場合は、脅迫罪と共に免停にできます。
②あおり運転を警察が現認し悪質と認められれば免停にできます。
③ドライブレコーダーにあおり運転の証拠が映っていて、それが悪質と認められたら免停にできます。
そのどれもが、証拠が必要となるのです。
①と②は、警察が間に入っていますので、あおり運転が証明されるもの簡単でしょう。
しかし、③に関しては、相手のナンバープレートが確実に映っていたり、あおり運転に証拠が鮮明に映っている必要があります。
それを、提出した警察署の判断になるので、必ずしも免停にできるものではありません。
しかし、全国であおり運転により免許停止処分が増えれば悪質なあおり運転が減ってくることは間違いないので、積極的にこの危険性帯有者認定を行ってほしいものです。
あおり運転の一発免停は、少し難しいかもしれませんが、あくまでも自分も身は自分で守らなければいけません。
煽られないようにするもの一つですし、煽られた場合の証拠も必要になるでしょう。
その為にも、ドライブレコーダーの装着が必要です。
今は、ドライブレコーダーも安価な商品が出てきているので、比較的お求め安くなっています。
あまり画質が悪いと相手のナンバーが映らないので、少し費用をかけてでも高画質なものを選びましょう。
できたら、後方撮影も効果的です。
電源はシガーライターからなので、取り付けも自分で出来ますよ。
あおり運転、無くならないとは思いますが、罰則が更に厳しくなればどんどん減ってくると思うので、あなたも決して加害者にならないように気を付けましょう。