あなたの車には、スペアタイヤが付いていますか??
最近の新車は殆んどの車でスペアタイヤがなくなってきました。
一昔前は、スポーツカーやスーパーカーといった、走る車にはスペアタイヤがないってのもありましたが、限られた車だけだったのに、最近では普通乗用車でも軽自動車でさえスペアタイヤがなくなっています。
タイヤが入りそうなスペースはあるのに、パンク修理剤とコンプレッサーが入ってるだけ。
それは、なぜなんでしょうか?
今回はその疑問に答えたいといます。
店長
久留間くん、君の車にはスペアタイヤが付いてるかい?
研修生
てんちょー、もちろん付いてますよー。
ぼくの車はミニバンなので車の下にぶら下がってます!
なぜですか?
店長
久留間くんの車にはスペアタイヤが付いてるんだね。
最近の車にはスペアタイヤが付いてない車が多いって知ってた?
研修生
なんか聞いたことありますが、それってパンクした時とか危なくないですか?
店長
そーだね。
一応パンク修理剤は付いているけど、対応出来ないパンクも多いしね!
研修生
そーですよねー。
スペアタイヤが無いってぼくはちょっと不安だなぁ。
店長
でも、スペアタイヤを使わないで廃車になっている車が多いのも事実なんだよ!
意外とみんなスペアタイヤを使ってないんだね。
研修生
そもそもなんでスペアタイヤを無くしてしまったんですか?
店長
それは、環境の為が一番大きいかな!
日本より環境問題や安全に厳しいヨーロッパの車の方が先にスペアタイヤレスの車が増えていったかな。
でも、欧州車のスペアタイヤレス車はランフラットタイヤが装着されていてパンクしたときでも安全に走れるようにしているんだよ。
研修生
ランフラットタイヤ、空気が無くても一定の距離を走ることが出来るタイヤのことですね。
店長
そうそう、久留間くんよく知ってるね!
でも日本車はランフラットタイヤが付いている車はごく僅かで殆どが応急のパンク修理キットが積んであるだけなんだよ。
研修生
安全面では、ヨーロッパの方が先を行ってる感じですね!
店長
そうだね。
安全性に関してはヨーロッパの方が厳しい基準があるからね!
研修生
他にはなんで、スペアタイヤを無くしてしまったんですかね?
店長
スペアタイヤを無くした理由は、環境問題、快適性、コストダウン、低燃費なんかが関わってくるかな!
研修生
そんなにいっぱいの理由が重なってスペアタイヤを取るという結果になったんですね。
店長
そーだね、その辺りを詳しく説明するねっ!
最近の車は何故スペアタイヤレスにしたのか?
最近の車は殆どの車がスペアタイヤが着いていません。
代わりに応急パンク修理キットが付いています。
これはなぜなのでしょう。
・環境の為。
スペアタイヤは、使用せずに廃棄されるものが殆どなのです。
実際にスペアタイヤって使ったことありますか?
半数以上の人が使ったことがないか、使ってもほんの少しだけの距離を走った程度だと思います。
スペアタイヤをツルツルになるまで使い切った!
なんて人はほぼいないのじゃないでしょうか。
使わずに捨てるタイヤって環境に悪いってことで、スペアタイヤ無くしました。
・スペース確保の為。
最近の自動車はとにかく車内が広くなりましたね。
軽自動車でも普通車並み以上に車内が広い車が増えてきました。
とっても便利で使いやすいですよね。
でも、その広い車内を確保するにはスペアタイヤが邪魔なのです。
スペアタイヤを入れるスペースを作るなら、収納に使った方が便利ですよね?
って事で、スペアタイヤをなくして収納スペースにしました。
・低床の車が増えた為。
トランクがないミニバン等は、スペアタイヤを車の下にぶら下げていました。
ワイヤーやチェーンで釣り上げて固定している車が多かったですね。
でも最近のミニバンは低床の車が多くなってきました。
重心を低くすることで、横揺れを少なくしたり、カーブの安定性を向上させたりと走りやすくなるんです。
床を低くするのに、スペアタイヤを下にぶら下げていたら邪魔になりますよね?
タイヤをどこかに引っ掛けてしまっても大変!!
って事で、スペアタイヤをなくしてしまいました。
・燃費の為。
スペアタイヤと言っても、ホイールとタイヤが付いているので、結構重たいんです。
今の車は燃費が良くないと売れません。
燃費を少しでも上げれるように、各自動車メーカーはいろいろな方法を考えています。
その中に軽量化って事があります。
軽くなれば、燃費って良くなるんですね。
それなら、重たいスペアタイヤを外してパンク修理キットを積んでいる方が、重量は軽くなります。
少しでも軽くなって、スペアタイヤの役割も果たしてくれるなら修理キットで良くないですか?
って事で、スペアタイヤをなくしてしまいました。
・コストダウンの為。
使わないタイヤの為にコストを使うのはもったいないですよね?
なので、トランクにスペースがある車はオプション設定にして、スペアタイヤがほしい人は追加料金を出して付けてもらうようにしました。
そうすればベース車両のコストダウンになります。
日本車がスペアタイヤレスにしてもランフラットタイヤを履かないのはこの辺が影響してのものでしょう。
このように、様々な理由でスペアタイヤはなくなっていきました。
欧州車と日本車の違い。
欧州車も日本車も最近はスペアタイヤレス車が増えてきています。
日本車は、先ほどの様にどちらかというとお客さんのニーズと販売側の戦略によりスペアタイヤを外してパンク修理キットを付けることを選んでいる感じです。
しかし欧州車は少し違います。
第一に環境を重視してのスペアタイヤレスなのです。
使用しないタイヤの廃棄をなくすためにスペアタイヤをなくしました。
そうすると、安全が損なわれます。
なので、パンクしても走れるランフラットタイヤを装着し、運転席からタイヤの空気圧低下を知ることができる空気圧センサーを全車装着義務化にしました。
ランフラットタイヤは、パンクしても走行できるようにタイヤのサイド部分が強化されてペッちゃんこにならないように作られています。
その関係で、空気圧が減っても運転していて気付きにくいデメリットがあります。
なので、空気圧センサーを全車に装着することによって安全に運転できるようになりました。
ヨーロッパの方が、安全基準が厳しいので、そこまでしているんですね。
スペアタイヤレス車にスペアタイヤは積める?
オプションでスペアタイヤの設定がある車は新車を買う時に注文できますし、中古車で車を購入しスペアタイヤが付いていなかった場合は、カーディーラーで注文したら用意してもらえると思います。
オプション設定にある車は、スペアタイヤを収納するスペースはあるはずです。
後から注文するときは、そこに収納できるために固定具等も一緒に注文して下さいね。
オプション設定がない車は、残念ですがスペアタイヤを入れる設計にはなっていない車だと思うので、スペアタイヤを積むことはできません。
それでも不安だと、普通のタイヤ(実際に走行しているタイヤ)と同じサイズのタイヤとホイールを購入して車に積んでいる人もいます。
トランクはあまり使わないとか、フル乗車で使う事はないって人は、一本タイヤを積んでいる人もいましたよ。
遠出や旅行の時だけ積んでいくって方もおられました。
やはり昔から車を運転している人は、スペアタイヤがないと不安になるんですね。
タイヤは、カーディーラーでも購入できますし、タイヤショップなんかでも買う事ができます。
スペアタイヤが無いと不安って方は、少し邪魔だとは思いますが、1本タイヤを積んでいてもよいかもしれませんね。
スペアタイヤレスについて、お分かりいただけましたか?
いざというときはスペアタイヤがあった方が安心ですが、スペアタイヤが無いのには理由があることを理解していただけたらパンクした時にイラッとすることも抑えられるかもしれませんね。