最近、タイヤネタが少なかったので、少しタイヤの話もして見ます。
最近よく売れている車といえば、そう軽自動車です。
軽自動車は、維持費も安いうえに最近では安全性も普通車並みになり、普通車から乗り換える人も増えてきました。
でも、軽自動車は規格的に4人までしか乗れません。
そうなると、数人での遠出は少し窮屈になってしまいます。
家族が多い方なら、メインで軽自動車は少しきついかもしれません。
なので、普通車の2台目に軽自動車を乗っておられる方も多いのではないでしょうか。
そうなると次に人気なのが、ミニバンです。
ミニバンは、人数も沢山乗れて長距離でも快適に過ごせます。
私もタイヤ屋さんのしていて、良く聞かれるのがミニバン用タイヤとそれ以外の普通車用タイヤの違いについてです。
ミニバン用タイヤは、各メーカー数種類販売されています。
普通車用タイヤは、どのメーカーもそれ以上に販売しています。
では、ミニバンに普通車用タイヤを装着するとどうなってしまうのでしょう。
今回は、そのメリットとデメリットについてお話致します。
店長
久留間くん、君はミニバンに乗っていたよね?
ちゃんとミニバン用タイヤを履いているのかい??
研修生
急にどうしたんですか?
今は、ミニバン用タイヤを履いていますよ。
元々純正は、ミニバン用タイヤを履いていなかったんですが、タイヤが減ってしまって交換する時にミニバン用タイヤに交換しました。
その頃は、違う仕事だったので、タイヤ屋さんでおススメしているタイヤを買ったんですよ。
今みたいにタイヤのことあんまり知らなかったんでね。
店長
(今もあんまりわかっていないような・・・)
研修生
えぇ?!
なんですか??
店長
いやいや何でもないよ。
それならいいんだ。
僕もミニバンに乗っているから、ミニバン用タイヤを履いているんだけど、最近ミニバンに乗っている人からミニバンに普通車用のタイヤを入れたいのだけど、ダメなのかという質問が来てね。
それで、久留間くんはそうしてるのかなっと思ってね。
研修生
そうだったんですね。
僕の場合は、そんなこと考えもしなかったです。
ミニバンだから、ミニバン用タイヤを入れないといけないと思って、ミニバン用タイヤの中から選んでいました。
店長
普通は、そうだよね。
ミニバン用タイヤというぐらいだから、ミニバンの人はその中から選ぶよね。
研修生
でも、その人は何で普通車用のタイヤを入れたかったんでしょうねぇ?
店長
意外と、ミニバンに普通車用のタイヤを入れている人って多いんだよ!!
研修生
えぇ~~!!
そうなんですか?!
ミニバンに乗っている人は、殆どミニバン用タイヤに交換しているのだと思っていました。
だって、ミニバンの事を考えて作られているので、絶対そっちの方がいいと思うんですけどね。
店長
そうだね。
ミニバンの弱点を補ってくれるのが、ミニバン用タイヤだよね。
でも、全ての人がミニバン用タイヤをいいと思っているわけではないんだよ。
全ての人が良いと思うのなら、ミニバンには純正でミニバン用タイヤが入ってくるはずだろ?
でも、現状では別注しない限り純正でミニバン用タイヤが入ってくるミニバンはいないんだ。
研修生
えっ?!
純正でミニバン用タイヤはないんですか?
てっきり僕の車は安いグレードだから普通車用タイヤで、上のグレードとかもっと上級のミニバンは、元々ミニバン用タイヤが入っているんだと思っていました。
店長
そんなことないんだよ。
最近よく売れている、ノアやヴォクシー、何百万もするアルファードやヴェルファイヤだって元々新車時の純正タイヤは普通車用タイヤが入っているんだよ。
研修生
今まで知らなかった・・・。
でも何でなんでしょう。
ミニバンにはミニバン用タイヤがいいと思うんですが、普通車用のタイヤを選ぶメリットってなんなんですか?
店長
それには、メリットとデメリットがあるから、それについて今日はお話するね。
ミニバン専用タイヤとは。
よくタイヤ専門店やカー用品店なんかのタイヤコーナーで目にする【ミニバン専用タイヤ】ってのがありますが、そのミニバン専用タイヤは他のタイヤと比べて何が違うのでしょう。
ミニバン専用というだけあって、ミニバンの事を考えて作られているのは誰でも想像できると思います。
では、ミニバンの事を考えるとはいったいどんなことなのでしょうか。
人数が乗れて、快適な車内空間でずっと根強い人気のミニバンですが、大きな車体とその形状からタイヤには相当負担がかかっています。
ミニバンといえば車内空間を広くするために、車高が高くなっていますよね。
この車高の高さがタイヤのは大きな負担となっています。
カーブの時には、車体の重心が左右に振ってしまうので、タイヤの外側に大きな力が加わってしまいます。
そしてブレーキング時には、大きな車体が下方向に沈み込みタイヤの内側に力がかかってしまいます。
その結果、タイヤの両端が早く減ってしまい、真ん中の溝はまだ十分残っているのに、タイヤにショルダー部分が減ってしまった為交換をしなくてはいけなくなったという話は良く聞きます。
というか、殆どのミニバンがそのような両端から減ってしまっています。
また、背が高く重心も高いので普通車と比べてふらつきが大きくなってしまいます。
そのミニバンの苦手な所をタイヤで補っているのがミニバン専用タイヤなのです。
各メーカーの特徴は少しづつ違いますが、大前提としてタイヤの両端を強化することによりタイヤの両サイドから先に減ってしまうのを抑制しているのと、
タイヤの両端のショルダー部分の形状を角ばらして接地面積を増やし、走行中のふらつきを抑制しているのがミニバン専用タイヤといわれるものです。
新車時の純正タイヤは、ミニバン用じゃない?
タイヤには新車から装着されている、新車装着タイヤ(純正タイヤ)と、減ったり劣化したりパンクしてしまったりして後から交換する補修用タイヤの2種類に分かれます。
カタログや、メーカーのホームページ載っているタイヤや、はたまたタイヤ専門店やカー用品店で売られているタイヤはほぼ補修用タイヤ(リプレイス)です。
新車装着タイヤは、市販されることはあまりありません。
特殊な車種や、特殊なタイヤは新車装着タイヤしか設定がない場合がありますが、殆どのタイヤは量産されているサイズなので補修用タイヤに皆さんは交換しているのです。
現在では、新車装着タイヤは車メーカーがタイヤメーカーに依頼したものが装着されてくるだけで、車の購入者がタイヤを指定する事は出来なくなっています。
(昔はタイヤのメーカー指定ができる場合がありました。)
新車のときに付いているタイヤは、誰にも不満を感じさせてはいけないという暗黙にルール的なものがあります。
ミニバン用タイヤは、角を角ばらしている分少なからず走行に不満を持つ人が出るもの事実です。
なので、どんなミニバンでも現在は新車からミニバン用タイヤが装着されて納車される事がないのです。
しかし、補修用タイヤの場合はユーザーが自分でタイヤを選ぶことができます。
ミニバン用タイヤが良い人は、ミニバン用タイヤを選ぶことができますし、
普通車用タイヤが良い人は、普通車用のタイヤを選ぶことだってできます。
自分で選ぶことができない、もちろん車の営業マンにだって選ぶことができない新車装着タイヤなのでミニバン用が付いてこないんですね。
ミニバンに普通車用タイヤを入れた時のメリット。
先ほど少し触れましたが、ミニバンはタイヤの両端が減りやすいので、そこを強化して尚且つふらつき難い構造をしています。
でも、この角ばらしたタイヤのショルダー形状は、地面との接地圧を上げているので、タイヤの走行音は大きくなる傾向になります。
なので、同じメーカーで同じシリーズのタイヤでも、ミニバン用と普通車用では、走行音が違う事が良くあります。
ミニバンは、車内空間が広い分タイヤの音が車内に入りこもってしまいます。
少しでも走行音を静かにしたいなら、静かなタイヤの普通車用タイヤを入れるとよいでしょう。
あとは、普通車用のタイヤのほうが種類が沢山販売されているので、安価なタイヤを選ぶこともできます。
各メーカーのミニバン用タイヤは、中級ぐらいのシリーズから設定されていることが多いのです。
逆に、高性能のタイヤを入れたくても設定がない場合が良くあります。
ハイグリップタイヤや、大きなインチップサイズのミニバン用タイヤは販売されていないので、そのあたりのタイヤを履いてみたい方は、普通車用タイヤを選ぶ必要があります。
後は、ミニバン専用タイヤはショルダー部分が角ばっているので、車体自体は安定して踏ん張りますが、ハンドルを切り始めた時のスムーズさはタイヤの角が角ばっていない普通車用タイヤの方がなめらかといえます。
ミニバンに普通車用タイヤを入れた時のデメリット。
これは、ミニバン専用タイヤを入れた時ののメリットととも言えるでしょう。
タイヤの角から減ってしまう。
車がふらつきやすい。
カーブが安定しないなどがあげられます。
ミニバンには、ミニバン専用タイヤというイメージの方も多いと思いますし、店員も当たり前かのようにミニバンにはミニバン用タイヤを進めてきますが、お互いの特徴を理解してあなたの理想に合ったタイヤを装着するようにしましょう。