車のタイヤがパンクをしてしまい、空気が無くなったら走れないですよね?
でも、空気がタイヤの中に無くなって空気圧ゼロになっても走れるタイヤがあるんです。
『ランフラットタイヤ』今日はその事について書きたいと思います。
店長
久留間くん、ランフラットタイヤの事は知っているよね?
研修生
はい、店長!
空気が無くても走れるタイヤの事ですよね?
店長
そうそう、よく知ってるじゃん。
なんで、走れるかは知ってる?
研修生
???
中に何か入ってるとかですか?
店長
そこ知らないの?
違うよー!!
研修生
えっと・・・
全部ゴムで出来ているとかですか?
店長
違う違う!
(ちょっと近いけど)
普通のタイヤはパンクしたらペッちゃんこになって走れなくなるでしょ?
ランフラットタイヤは、そのペッちゃんこにならないように、タイヤのサイド部分を強化して空気が無くても走れるようにしてるタイヤなんだよ。
研修生
それじゃあ、空気入れなくていいってことですか?
店長
それも、違うね!
空気が無くても一定の距離を走れるってだけで、ずっとそのままでは走れないんだよ!
長くても100Kmぐらいまでと決められてるんだよ!
研修生
そーだったんですねー。
次のタイヤ交換はぼくもランフラットタイヤにしよーかなっ!
店長
久留間くんの車のホイールはメーカー純正だったよね?
それなら、タイヤのサイズが合ったとしてもちょっと装着するのは難しいかなぁ。
ランフラットタイヤを取り付けられるホイールは、ランフラットタイヤ対応じゃないといけないんだよ。
元々、標準でランフラットタイヤが装着されてる純正のホイールや、ランフラットタイヤ対応のホイールを後から取り付ける必要があるんだよね。
研修生
そーだったんですね。
パンクしても走れるって便利だと思ったんですけどねー。
店長
ランフラットタイヤにはデメリットもあるんで、今日はその辺を解説てみるね。
ランフラットタイヤとは?
上記のようにタイヤの中の空気が無くなっても、強化されたタイヤのサイド部分で車の重量を支えて一定の距離を走る事が出来るタイヤの事。
現在欧州車には、標準で装着されている車が多くなって来ましたが、日本車でランフラットタイヤが標準装着されている車は殆どありません。
スペアタイヤがトランクに入らないスポーツカーの一部か、トランクが何らかの理由で使えない車
には装着されていますが、ほぼ装着されていません。
日本車の殆どが、スペアタイヤもなくパンク修理キットが入っているだけなのです。
この辺でも、ヨーロッパと日本の安全に対する考え方の違いがでますよね。
ランフラットタイヤの詳しい内容はこちらへ。
(ブリヂストンのHPに飛びます)
ランフラットタイヤのメリットとは。
それはなんと言っても、パンクしてもそのまま走行できるということ。
メーカーにもよりますが、最大で100Kmまでなら走行できるそうです。
100Kmも走ったらどこかタイヤ交換してくれるところがあるでしょってことです。
パンクしても走れるってことは、スペアタイヤに交換中の事故も避けられます。
たまにニュースにもなっていますが、路上でスペアタイヤに交換しているところに車が突っ込んでみたいな記事がありますが、パンクしてもそのまま走れるのでそんか事故に合う心配もありません。
あとは、トランクがその他の用途で使えると言うのも大きな利点です。
スペアタイヤは、意外とスペースをとってしまいます。
車種によってはそのスペースを、物入れにしたり有効活用している車種もありますね。
ランフラットタイヤのデメリットとは?
パンクしてもそのまま走れるランフラットタイヤですが、良いことばかりではないんです。
まずは、乗り心地が悪い。
空気圧がゼロになっても走行できる様にタイヤのサイド部分が強化されている分、乗り心地が悪くなってしまいます。
各社、技術は上がってきているので初期のランフラットタイヤよりは少し乗り心地の良い物も出てきましたが、安全を優先する為には乗り心地は悪くなってしまうのでしょう。
タイヤが高い!
最新のテクノロジーを詰め込んだタイヤなので、開発費や技術料などコストが掛かってしまいます。
ゴムも沢山良質な物を使っているので、タイヤの単価が上がってしまうんですね。
タイヤがすぐに無い。
基本的にタイヤショップやオートショップ、ガソリンスタンドなんかでは在庫を置きません。
よほど外車ディーラーと取引があるお店か、外車が集まるショップでない限り在庫はなく取り寄せの対応となるでしょう。
ランフラットタイヤを標準で履いているメーカーのディーラーであれば在庫はあるかもしれません。
でも、外車ディーラー自体数が少ないので、探すのに苦労するでしょう。
即日取り付けはできないので、遠方でパンクしたらちょっと大変かもしれませんね。
パンクしてもわかりずらい。
空気がゼロになってもタイヤは凹まないので、パンクしていても通常の見た目と変わりません。
しかも乗り心地も元々硬いので変化がわかりずらいのも特徴です。
なので、標準でランフラットタイヤは装着されている車は、必ずタイヤの空気が減ると知らせるパンクセンサー正式には
TPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)が装備されています。
それで、わかりにくいパンクも機械的に教えてくれるのですね。
パンク修理ができない。
ランフラットタイヤは、基本的にパンク修理ができません。
無理やり穴をふさぐことはできるかもしれませんが、修理を断るお店は多いと思います。
この件に関しては、後日詳しく記事にいたします。
作業工賃が高い。
見た目は普通のタイヤと変わりませんが、作業はとても大変なんです。
作業の仕方も普通のタイヤと同じなのですが、熟練のスタッフでも気合を入れて慎重に作業しないとタイヤもホイールもダメにしてしまう事があります。
とにかく、タイヤが固いので、数人で作業しているお店が殆ど。
なので、ランフラットタイヤだけ特別料金にしている場合が多いんですね。
こう見るとデメリットの方が多いような気がしますが、これも安全を優先すれば仕方ないかなと思います。
ランフラットタイヤの見分け方。
自分の車のタイヤが、ランフラットタイヤなのか普通のノーマルタイヤなのかわからない方もおられるでしょう。
タイヤの側面にはランフラットタイヤとは書いていません。
(書いているメーカーもありますが。)
各社、表記の仕方が違うので間違えないようにしましょう。
•ブリヂストン『RFT』(Run-Flat Technology)
•ヨコハマタイヤ『ZPS』(Zero Pressure System」
•ダンロップ『DSST』(DUNLOP Self-Supporting Technology)
•グッドイヤー『EMT』(Extended Mobility Technology)
•ミシュラン『ZP』(ZERO pressure)
•コンチネンタル『SSR』(Self Supporting Runflat tyres)
•ピレリ『r-f』(RunFlat)
タイヤのサイド部分にこのような表記があればランフラットタイヤなので注意しましょう。
ついでに輸入車は、メーカー承認タイヤというものがあります。
見た目やサイズは同じでも、その車種専用に作っていてそのカーメーカーが承認している物なので、輸入車はできるだけ承認タイヤを装着すると良いでしょう。
見分け方は、
メルセデスベンツ『MO・MOE』のように『MO』がタイヤのサイド部分に印字されています。
『MOE』はランフラットタイヤを意味しています。
同様に、
BMWは『☆』が
ポルシェは、『NO・N1・N3・N4』
アストンマーチンは、『A2A・A4A・A5A・AM9』
アウディは、『AO・R01・R02・AOE』
とそれぞれタイヤの側面に表記があるので、注意してみてみましょう。
ランフラットタイヤについてはお分かりいただけましたか?
次回は、ランフラットタイヤのパンク修理についてと、ランフラットタイヤ装着車にノーマルタイヤを付けるとどうなるかについて書きたいと思います。
ではまた。